英語学習の失敗と成功 ③間違い

生徒の皆さんに英語を指導していると、様々なことに気付かされますが、中には多くの方々に共通していることもあります。その1つが「間違えることに対する恐れ」です。



英語学習者に限らず、私達が経験してきた日本の義務教育は、全体的に「間違える」=「悪・恥」というイメージを生徒に植え付けてきました。また、英語や国語のように、「個人によって答えが変わるべき科目」においても、まるで数学かのように先生が特定の解答に導くかのような授業の進行も多々あります。


この無意識のうちに養われてきた「間違えることへの罪悪感」・「求められている反応へのプレッシャー」こそ、日本人の英語力向上を大きく妨げている要因の1つです。


・「ストライクを投げなきゃ!」と思いながら投げるピッチャー

・「捕れなかったらどうしよう」と思いつつピッチに立つキーパー

・「間違えてはいけない」と思いながら英語を話す英語学習者


少なくとも、私の目には上のいずれも上手くいくようには思えません。恐れを抱きながら最高のパフォーマンスを発揮することなど、ほぼ不可能です。


私自身、さらなる英語力向上と趣味も兼ねて、未だに毎日オンライン英会話のクラスを受講していますが、自分も講師であると彼らに伝えると、ほぼ決まってこの辺りのことを聞かれます。


「日本人は文法力がこれほど高いのに、なぜ会話力に結びつかないんだ?」

「これほど必死に勉強しているのに、なぜ彼らはもっと話そうとしないんだ?」


彼らにとっては、日本人の英語学習に対するアプローチは不思議で仕方ないのです。



メチャクチャ勤勉⇒文法力すごい⇒でもあまり話そうとしない⇒間違えると謝る⇒会話力が伸びない⇒でもやる気はある⇒・・・


彼らには、日本人の高いモチベーションに対して、その成果があまりにも小さく・非効率的に見えているのです。


例えば、私達と同じnon-native English speakerであるメキシコ人やフィリピン人。彼らの思考は全く逆で、「間違えながら修正していく」のです。


「間違えずして、どうやって自分の弱点や課題点を見つけるのさ?」



私は彼らのこのスタイルに賛成です。どんどん間違えて、指摘されて、気付いて、直していく。何事においても、これが最速のアプローチではないでしょうか?私自身、レッスンの際には「もし皆さんがレッスンの中で何一つ間違えないのであれば、そもそも私の所で学ぶ意義はないです」と伝えています。


皆さんが間違えを指摘された際に言うべきは、"I'm sorry" ではなく、


Thank you (for your correction)

「(訂正してくれて)ありがとう」


です。


では、今日はこの辺りで。

3e-Tokyo's vision

使える英語・伝わる英語を。